
「普通のビールとクラフトビールって違うの?」
「クラフトビールって地ビールのこと?プレミアムビールとも違うの?」
・・・などなど、クラフトビールとは?と、私も思ったことがありました。

おはようございます!love it! 編集部のアイです。
この記事では、クラフトビールとは?・・・を解き明かしていきます。
そしてこれからクラフトビールを楽しんで行けるよう、オススメのビールも紹介しますね。
日本ではあまり知られてないけれど、世界には150種類以上のビールがあり、ワインのように彩りも味も香りもさまざまなんですよ。
では参ります!
クラフトビールの定義は
「全国地ビール醸造者協議会(JBA)*」が、2018年5月にクラフトビール(地ビール)について定義しているんです。
…とはいえ少しイメージしずらいので、地ビールやプレミアムビールとの関係性なども入れてお教えしますね。
JBAとは、Japan Brewers Associationの略で、小規模ブルワリーの業界団体のこと。
ウェブサイト:全国地ビール醸造者協議会

クラフトビールと地ビールとプレミアムビールの違いと定義
大手ビールメーカー以外で、地域密着型の小規模なブルワリー(マイクロブルワリー)で、醸造されるビール。
日本の酒税法上のビール定義に当てはまらなくても、伝統の製法で醸造されている物はクラフトビールの概念の中に含まれる。
(表記は発泡酒となっていても*)
ビール職人(ブルワー)が伝統的な原料や製法にこだわり醸造しているため、個性豊かな種類(ビアスタイル)がある。
・・・元々は地ビールと呼ばれていた。
1994年に酒税法が改正されたことで、全国的にブルワリーが誕生し、地ビールブームが起こる。
地ビールというネーミングは、「地元」「地方」のビールということからついたとも言われる。
しかし当時は技術が未熟で、大手ビールメーカーのビールより高額だったこともあり、淘汰されたブルワリーもあった。
明確な定義はないが、大手ビールメーカーが定番品より、原料や醸造方法にこだわりを持って作ったビール。
価格もちょっと高めの高級志向。
クラフトビールと呼ぶ大手ビールメーカーもある。
もうちょっとクラフトビールについて補足すると・・・
地ビールが淘汰される中で、自分の手で個性豊かでおいしいビールを醸造したいという志あるブルワーが登場します。
そこから品質も向上し、クラフトビールと呼ばれるようになり、2010年頃から再びトレンドに。
今では世界でも認められ、愛されるビールも多数になりました。
なぜ「クラフトビール」って呼ばれているの?
クラフトビールのクラフトはcraft(手工芸品)のコト。
ブルワーが丁寧な作業で作り上げたことから、手工芸品に例えられ呼ばれるようになりました。
クラフトビールはアメリカで始まり、そのブームが日本にも伝わったことも、「クラフトビール」と呼ばれている理由の一つです。

こんな流れの中で、現在は地ビールという呼び方より、クラフトビールと呼ばれることが多くなったわ。
ビールの個性って?
「どうして、ビールは個性豊かなの・・・?」

ビールの歴史をみると、個性豊かな理由がわかるのよ。
ビールは紀元前3000年頃に、メソポタミアで醸造された記録が残っています。
その後ヨーロッパで花開き世界へ広がりました。
そのため、地域ごとに多様化し個性豊かなビールが誕生。
地域による水の性質、生産されるビールの原料、気候特性などにより、ビールは多様化し伝統的な製法が受け継がれています。
- その地域の風土
- ビールの材料
- 主原料の違い
- 水質の違い
- 麦やホップの違い
- ビール酵母の違い
- 副原料の違い
- 主原料の違い
- 作り方の違い
世界へ広がったビール、その種類は150以上にもなり、ワインにも並ぶほどです。
このビールの種類のことを「ビアスタイル」といいます。

世界のビアスタイル
実は日本で飲まれているビールは、ほぼ1種類!
・・・ピルスナーという種類(ビアスタイル)だけなんです。
だからビールが苦手・・・という方はピルスナーが好みではないのかもしれません。

- キリン / 一番搾り
- アサヒ / スーパードライ
- サッポロ / 生ビール黒ラベル
- サントリー / ザ・プレミアム・モルツ(定番)
クラフトビールという言葉は、大手ビールメーカーなならではの量産販売のピルスナーに対して、使われているとも言えます。

ところで・・・
ビールって、各国で定義が少しづつ違うって知ってますか?
・・・そんなことはいいから、主な種類(ビアスタイル)だけ知りたいならここクリック。
ビールって、各国で定義が少しづつ違うって知ってますか?
それは酒税法に定義が決まっているから。
日本では、日本の酒税法にある条件を満たしたものがビール*と呼ばれます。
酒税法は原料として認められているものや、その配合割合などまで決まっているんです。
・・・つまり酒税法が改正されると、ビールの定義も変わるというコト。
とくにクラフトビールは、こだわりの材料を使っていることが多いため、日本の酒税法では、ビールの定義に当てはまらず、発泡酒と表記されている物もあったんです。

フルーツを使っても酒税法の範囲なら、ビールと名乗れるようになった。
その後2018年4月の酒税法改正にて、大幅に副原料が追加されたことで、発泡酒→ビールとなった例もあれば、そのまま発泡酒の扱いのビールもあります。

ビアスタイル:ベルジャンホワイト
ヤッホーブルーイングの「水曜日のネコ」というビールは、発泡酒の扱いです。
理由は副原料が、酒税法の定めより多く投入されているためです。
なので発泡酒と表記があっても、それは日本の法律上の問題だけ。
美味しいクラフトビールのひとつなんですね。
豊かなビール文化が育まれてきたベルギー。
1,000種類以上もの銘柄が作られています。
でも2018年4月の酒税法改正前、ベルギービールの多くは発泡酒の扱いでした。
なぜならベルギービールの個性である、フルーツやスパイスなどを使い醸造されたものは、当時の日本の酒税法上、ビールと定義されていなかったから。
現在は副原料の範囲がグッと広り、ビールの定義が拡大し、この問題が一部ですが解消されました。
酒税法第3条第12号(2018年4月「酒税法改正」)でビールの定義が拡大。

イ 麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの
ロ 麦芽、ホップ、水及び麦その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの※
ハ イ又はロに掲げる酒類にホップ又は政令で定める物品を加えて発酵させたもの※
※その原料中麦芽の重量がホップ及び水以外の原料の重量の合計の100分の50以上のものであり、かつ、その原料中政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の100分の5を超えないものに限る。

そのためクラフトビールの原料と副原料についても、少しだけ解説することにしました。
クラフトビールの原料
クラフトビールの原料も一般的なビールと同じで、基本は「麦芽(モルト)、ホップ、水、ビール酵母」の4つ。
麦芽 (モルト) | ![]() | 発芽させた大麦。 クラフトビールでは小麦を発芽させ使うこともある。 麦芽を粉砕した後煮沸、麦汁を作る。 麦芽の焙煎度の違いで、香ばしさやビール液の彩りが決まる。 |
ホップ | ![]() | ハーブの一種で、受粉前の雌花(毬花/きゅうか)のみを使用。 役割は5つ。 ①苦味を加える、②香りづけ、③泡の形成、④抗菌しビールの保存性を高める、⑤ビール液の安定(麦汁中の余分なタンパク質を凝固させる) |
水 | ![]() | 水の硬度によりビールの色や味わいが変わるので、作りたいビアスタイルのために[水を磨く]という工程がある。 |
ビール酵母 | ![]() | ビアスタイルを分ける[ビール作りの主役]とも言えるのが酵母。 酵母は1000種類以上もありその中から選ばれる。 |
そして、酒税法で定められた副原料*が加えられることもあります。
副原料はビールをまろやかにしたり、スッキリした味わいにしたり、香り付けの役割。
- 主要な副原料
-
麦/米/コーン/こうりやん/ばれいしょ/スターチ/糖類/着色料(カラメル)
- ビールに香り又は味を付けるために使用する副原料*
-
【下記は2018年4月酒税法改正で認められた副原料】
果実/コリアンダー・コリアンダーシード/胡椒や山椒などの香辛料/ハーブ/野菜/ソバやゴマ/はちみつや黒糖といった含糖質物・食塩・みそ/花/茶・コーヒー・ココア(これらの調製品を含む)/牡蠣・昆布・わかめ・かつお節
副原料は酒税法の規定の割合を超えたり、それ以外の何かを少しでも加えると、ビールの定義から外れ、発泡酒となってしまうんです。

2018年の主税法改正前は、上記の副原料を添加すると、発泡酒になってしまっていたの。
ビール作りの基本工程は5つ

ブルワーはこだわりの原料をもとに、どんなビールを作ろうかというイメージがあり、伝統的な製法にて醸造していくうちに個性豊かなビールが出来上がります。
原料とビール作りの工程。
その掛け合わせの分だけ、多彩なビールが出来上がると言っても過言ではないほど。
ここで基本的なビールの作り方を、かんたんに解説しますね。
基本の工程は5つです。
1.製麦工程…麦を発芽させ麦芽を作る。

日本ビール検定公式テキスト
発芽するときにデンプンやたんぱく質を分解する酵素が生成される。
麦芽を乾燥し粉砕する。
2.仕込工程…麦芽から麦汁を作る。

粉砕した麦芽を温水とともに仕込釜へ入れ煮る。
麦芽自身の酵素が働き出し、麦芽のデンプ ンが糖へ(糖化)、たんぱく質がアミノ酸へと分解され麦汁ができる。
麦汁をろ過したら、最後にホップを加え煮沸して冷却する。
3.発酵・貯酒工程…アルコールと炭酸ガスを作り、その後熟成させる。

麦汁に酵母を添加。
酵母が麦汁の糖やアミノ酸を食べること で、アルコールと炭酸ガスが作られる。
この状態を主発酵と言い、若ビールと呼ばれ、味も香りも未熟。
「若ビール」を低温で熟成。
ここで再度ホップを投入し、香り付けすることもある。
熟成中もアルコー ル発酵がゆっくり行われ、炭酸ガスが作られる。
適度な加圧状態で徐々に冷却することで、この炭酸ガスがビールに溶け込む。
コクが深まり香りが落ち着き、おいしいビールへになる。
4.ろ過工程
酵母とにごり物質を取り除く工程。
品質を安定させるために行われる。
5.パッケージング工程

ビールのおいしさが保てるように、容器に充填する。
さて次は、ビールの種類(ビアスタイル)について解説です。
ビールの種類は科学で分類されている
日本ではラガービールという言葉をよく聞きます。
そして最近では、エールも。
ラガーとエールは、2つの発酵の仕方で区分され、その中に多数の種類(ビアスタイル)があります。
またその他の発酵方法として、自然発酵が加わります。
発酵方法によって主に3つに分けられる
発酵の 区分 | 上面発酵 | 下面発酵 | 自然発酵 |
エール | ラガー | ワイルドエール | |
特徴 | ![]() | ![]() | ![]() |
上面発酵のエール酵母を使用。 発酵温度は15〜20℃前後で、3〜5日。 発酵の際、表面に浮かぶ。 | 下面発酵のラガー酵母を使用。 発酵温度は10℃前後で、7〜10日。 発酵後期に沈殿する。 | 空気中や木樽に存在する野生酵母を使用。 | |
種類 (ビアスタイル) | ペールエール IPA スタウト ヴァイツェン トラピストビール | ピルスナー シュバルツ ボック アメリカンラガー | ランビック |
さらにハイブリッドも!
さらに現在は、どれにも属さない独創的なハイブリッドスタイルもあります。
ハイブリッドスタイルは、ゴールドラッシュ時代のカリフォルニアで誕生。
下面発酵のラガー酵母を使い、上面発酵のエール酵母並みの常温で発酵させたビールです。
押さえておきたいクラフトビールの種類…7選プラスα
押さえておきたいビールの種類(ビアスタイル)は7つ!
そのほかに雑学として、また飲んでみると楽しいビールの種類(ビアスタイル)を紹介します。
ピルスナー/日本人に最もなじみのあるビアスタイル
ピルスナーの基本情報

特徴を一言で | スッキリ爽快なのどごし |
色合い | 透明な黄金色 |
発酵方法 | 下面発酵「ラガー」 |
アルコール度数 | 4.0〜6.0% |
発祥国 | チェコ |
ピルスナーの特徴
1842年にチェコのピルゼンにて誕生したビアスタイル。
チェコのビールはボヘミアンピルスナーと呼ばれる。
滑らかなのど越しを楽しむビール。
彩りは透明な世界初の黄金色で、ホップの効いた爽快な香味が特徴。
黄金色のビールができたのは、他の地域は硬水だったのに対し、ピルゼンの醸造所の水が軟水だったため。
ドイツ版はジャーマンピルスナーと呼ばれ、日本の大手メーカーが取り入れたスタイル。
大手ビールメーカーのピルスナーと、マイクロブルワリーで作られるユニークなピルスナー(クラフトビール)では別物なのも面白いところ。
ペールエール/ホップやモルトの豊かな香り
ペールエールの基本情報

(画像はパイントグラス)
特徴を一言で | ホップやモルトの華やかで豊かな香り |
色合い | 金色〜銅色 |
発酵方法 | 上面発酵「エール」 |
アルコール度数 | 4.5〜6.0% |
発祥国 | イングランド |
ペールエールの特徴
イングランドのバートン・オン・トレントで誕生。
「ペール」=「淡い」の意味。
エールはイギリスで歴史が古く、当時は濃色ビールばかりだったため、それより薄い液色から「ペールエール」と名付けられた。
ペールエールを楽しむためには、冷やしすぎずないことがポイント。
のど越しのピルスナーと違い、華やかな香りと楽しみ、コクを味わいながら飲む。
パイントグラスに注ぐと、より香りが引き立つ。
IPA/苦味が強くフルーティな風味が楽しめる
IPA(インディアペールエール)の基本情報

(画像はIPAグラス)
特徴を一言で | ホップ由来のアロマが強く芳醇で苦味が強い |
色合い | 淡い黄金色〜濃い銅色 |
発酵方法 | 上面発酵「エール」 |
アルコール度数 | 4.5〜7.0% |
発祥国 | イギリス |
IPA(インディアペールエール)の特徴
18世紀末、イギリスからインドへビールを輸送する際に劣化しないよう、防腐作用のある「ホップ」を大量にビールに投入したことから生まれたスタイル。
アルコール度数も高め。
ホップを大量に使用しているため苦味が強いが、IPA好きは、この苦味がたまらないという。
またホップ由来のフルーティな香りが芳醇で華やか。
香りを楽しむビールとも言えるほど。
中間部が細くなっているIPAグラスで飲むのがオススメ。
ヴァイツェン/小麦がやさしく香り苦味が少ない
ヴァイツェンの基本情報

特徴を一言で | 小麦のビール、苦味が少なくやさしい味わい |
色合い | ごく淡い色~ 薄い琥珀(少し濁りがある) |
発酵方法 | 上面発酵「エール」 |
アルコール度数 | 4.5〜5.5% |
発祥国 | ドイツ |
ヴァイツェンの特徴
ヴァイツェンとは小麦のこと。
小麦胚芽を原料の50%以上を使用して作る、ドイツ伝統の白ビール。
別名、ヴァイスビア(weisw=白)。
ヴァイツェン酵母によるバナナのようなフルーティーな香りと、苦味が少なのが特徴。
泡だちも豊かで持続する。
苦いビールが苦手な方にもオススメで、女性からも人気が高い。
酵母をろ過せず、白濁しているものは「へーフェヴァイツェン」
酵母をろ過したものが「クリスタルヴァイツェン」
細長く下の方がくびれたヴァイツェングラスに注ぐと、液色のグラデーションが目にも楽しいビール。
スタウト/黒ビールの王様
スタウトの基本情報

特徴を一言で | 深い香ばしさと苦味があるどっしりとした味わい |
色合い | 濃い胴〜黒色 |
発酵方法 | 上面発酵「エール」 |
アルコール度数 | 4.0〜5.5% |
発祥国 | アイルランド |
スタウトの特徴
ロンドンで流行したポーターというスタイルが、アイルランドに伝わり誕生。
漆黒の色、クリーミーな泡が特徴的。
stoutは「どっしりした」などの意味。
文字通り、強く濃厚でコクのあるスタイル。
飲みはじめはカラメルのよう香りがするが、後口に苦味が残る。
スイーツとのペアリングが非常にGood。
ギネスビール創業者、アーサー・ギネス氏が考案したとされる。
豊かな苦味と香り、クリーミーな泡をスタウトグラスで楽しんで!
・・・ちなみにギネスブックオブレコードを発行しているギネス社です。
ベルジャンホワイト/苦味が控えめでほっこり
ベルジャンホワイトの基本情報

特徴を一言で | 独特の爽やかな優しい甘みを感じる |
色合い | 淡い黄金色で白く濁りがある |
発酵方法 | 上面発酵「エール」 |
アルコール度数 | 4.0〜6.0% |
発祥国 | ベルギー |
ベルジャンホワイトの特徴
15世紀から、ベルギーのヒューガルデン村で醸造されている伝統的なスタイル。
小麦由来の甘酸っぱさ、コリアンダー、オレンジピール由来のスパイシーでフルーティな香りが特徴。
泡立ちが豊かで優しい炭酸、苦味が少ない白ビールの一種。
ピルスナー人気などの影響から一時期消滅。
その後1966年に復活した際に醸造された「ヒューガルデンホワイト」が、人気を得て世界中に広がった。
ピルスナーやIPAが苦手という方に飲んで欲しいビアスタイル。
フルーツビール/ビアカクテルみたい・・・
フルーツビールの基本情報

特徴を一言で | フルーツのフレッシュな香りが楽しめ、ビールの爽快感もある |
色合い | 使用するフルーツで色合いが変わる |
発酵方法 | いろいろ |
アルコール度数 | 低いものから高いものまで |
発祥国 | 不明 |
フルーツビールの特徴
栓を抜いた瞬間に、甘酸っぱいフルーツのフレッシュな香りが豊かに広がる。
ヨーロッパではベリー類が使われることが多いですが、さまざまな果物が使われるので、色彩はとってもアーティスティック。
見ているだけで楽しくなれるビールです。
日本でも、地域の特産果物を使ったクラフトビールも増えてた。
ビールが苦手な方にもおすすめ。
深いフレーバーを楽しむために、チューリップグラスに注いで。
チョコレートビール / チョコのような味がする大人の贅沢ビール

チョコレートビールは、冬になるとあっという間に売り切れてしまうほどの人気なのよ。
チョコレートビールの基本情報

特徴を一言で | 風味はまるでビターチョコレート |
色合い | 琥珀〜黒色 |
発酵方法 | いろいろ |
アルコール度数 | 5〜9% |
発祥国 | 不明 |
- ビアスタイルとしてのチョコレートビールの定義
-
チョコレートかココアを使用していること。
アメリカにある国際的なクラフトビール団体。
チョコレートビールの特徴
深い苦味や甘みが感じられ、芳醇な香り。
美味しいチョコレートとペアリングして食べると両者が引き立つ。
チョコレートモルト*を使用し、チョコレートを使わず、チョコレートビールを再現したビールもあり人気を得ている。
冬のひと時を一緒に過ごすヒトにプレゼントするのもいいかもデス。

- *チョコレートモルトとは
-
濃色ビールの風味や色合いをつけたりするために、麦芽を高音で焙煎したものを「濃色麦芽」と呼び、チョコレートモルトはその一つ。
香りがビターチョコレートのようにほろ苦いことから、そう呼ばれる。
日本の地ビール第1号と言われている、クラフトビールメーカー「サンクトガーレン」。
サンクトガーレンでは、2006年から毎年バレンタインに向けて、チョコレートビールを醸造しています。
昨年はこのビール(インペリアルチョコレートスタウト)に「食べられるチョコレート製グラスのセット」が限定で発売され、なんと7分で完売したそう。

クラフトビールの味の特性を表す3つの指標
ビールを選ぶ時、種類(ビアスタイル)だけでなく、そのビールの特性を表す指標が3つあるんです。

ビアパブのメニューや、クラフトビールの缶や瓶などのラベルに「SRM」や「IBU」、「ABV」という表記があるのを見たことがありませんか?
これらは、ビールの色や苦味、アルコール度数を示す数字です。
この数値で何がわかるのか | |
---|---|
SRM 色 | 【Standard Reference Method】 米国由来(ASBC*)の色の濃さを示す指標。 数値が少ないほど薄く明るい色で、大きくなるほど濃くなる。 一般に薄い色ほど、のど越し爽やかで、濃くなるほど重くなる。 ※ちなみに欧州では、EBC【European Brewery Convention】という指標を使う。 |
IBU 苦味 | 【International Bitterness Units】国際的な苦味の単位。 ビールの苦みを数値化したもので、数値が大きいと苦味が強く、小さいと苦味が弱い。 ※日本の標準的なビール(ピルスナー)の苦さはは、IBU:15〜30くらい。 |
ABV アルコール度数 | 【Alcohol By Volume】 アルコール度数を示す数値。 日本では酒税法上、20%未満*と決まっている。 |
*世界にはアルコール分が60%超すものもある。

飲んだことないビールだと、パッケージだけ見てもイメージが湧きにくいでしょ?
この3つの指標を知っていると、ビール選びの時にとても役立つのよ。
ワインのように多彩なビアスタイルSRM
色 | 色名 | SRM | ビアスタイル |
---|---|---|---|
Pale Straw | 2-4 | ペール / ライトラガー、ピルスナー、ベルリナーヴァイス、ウィットビア、ニューイングランドIPA | |
Straw | 3-6 | ヘレス(マイボック)、ブロンドエール、カリフォルニアコモン、コルシュ、クリームエール | |
Pale Gold | 4-8 | ヴァイスビア、ランビック、ベルジャントリペル | |
Deep Gold | 6-12 | IPA(インディアペールエール)、ペールエール | |
Pale Amber | 8-16 | セゾン、イングリッシュペールエール、アイリッシュレッドエール | |
Medium Amber | 10-20 | イングリッシュビター(ESB)、ベルジャンデュッベル | |
Deep Amber | 13-26 | ダブルIPA、ビエール・ド・ガルド、アルトビール、バーレーワイン、 スコッチエール | |
Amber Brown | 17-33 | アンバーエール、ウィーンラガー、ダークラガー、メルツェン | |
Brown | 20-39 | ボック、ダンケルヴァイツェン、ブラウンエール、ブラウンポーター | |
Ruby Brown | 24-47 | ロバストポーター、ドップルボック、アイリッシュドライスタウト、オートミールスタウト | |
Deep Brown | 29-57 | アメリカンスタウト | |
Black | 35-79 | ロシアのインペリアルスタウト |
クラフトビールを美味しく飲むために必要な2つのコト
保存方法は超重要!
ビールを冷蔵庫に入れるときは、ドアポケットではなく本体に保管しましょう。
理由は冷蔵庫のドアポケットは、振動と温度変化が大きいから。
ビールは振動が加わると炭酸ガスが気化して風味が損なわれるので、開け閉めする度に劣化してしまうんです。
そしてビールは高温と日光が苦手。
高温と直射日光が当たる場所に置いておくと、短時間でもビールが酸化して美味しさが失われるので注意が必要です。
冷やしすぎない!

クラフトビールは、冷やしすぎない!←これ重要。
もちろんグラスも冷やしません。
イギリスではエール系のビールはを常温で飲むほどで、大体8〜14℃くらいが適温とされています。
冷やしすぎると、特徴である豊かな香りが立ちにくいなど、せっかくのおいしさが台無しになってしまうんです!
クラフトビールを五感で味わい楽しむ7つのポイント

クラフトビールを楽しむポイントを7つお教えしますね。
クラフトビールを楽しむポイントを7つお教えします。
ビールの色に魅せられる

多彩なビールを並べると、まるで宝石をグラデーションに並べたようにキレイです。
飲むだけでなく、一杯のビールを眺め、ビールの色や光沢、泡の色や泡が弾けて行くところなども楽しみましょう。
好きな色のビールを探し、選ぶのも楽しいものです。
香りを楽しむ
ビールの香りには、原料のホップに由来するものと、発酵の過程に由来するものがあります。

ホップ由来の香りは、心をリラックスさせる効果があります。
発酵中に副生産物として作られるエステル香*は、フルーティで華やかな香り。
そして飲む前にビアグラスから感じられる香りをアロマといいます。
フレーバーという言い方もありますが、こちらは実際にビールを口に含んだ時に感じる香り。
エールタイプのビールは、芳醇なエステル香が特徴的。
とくにIPAは、ホップのアロマがとっても心地よいです。
ビールにおけるエステルとは、発酵時に酵母により作られる香味成分です。
飲んだときに感じられる、フルーティーで芳醇な香りのもととなるもの。
温度が高いほど多く生成されるので、発酵温度が高いエールタイプのビールに多く含まれます。
またエステル香は、ワインや日本酒にも含まれる成分です。
そのためワインや日本酒を楽しむときに、どこか似たような香味を感じることがあります。
のど越しを楽しむ
ラガービール(ピルスナー)は、ビール対泡の割合が黄金比の7:3になるように注ぎ、温度も冷やして。
ビールがのどへ滑り込む爽快な感覚を楽しみましょう。
グラスにこだわる

ベルギーでは、ビールメーカーごとにロゴが入った特定の形をした専用グラスでサーブされます。
それくらいグラスでビールの美味しさが変わってしまうというコト。
できるだけそのビールの美味しさを引き出せるグラスを使いましょう。
ビアグラスなら、ドイツの名門シュピゲラウ(Spiegelau)がオススメです。
料理とのペアリングで楽しむ
ワインを選ぶ時って、そのお料理に合わせますよね。
クラフトビールもお料理とペアリングさせると、相乗効果でグッとおいしくなるんです。



トラピストビール
黒ビールとカラメルのマリアージュ、笑顔にならずにいられません。
チーズのコクにも負けない芳醇なトラピストビール。
選んだクラフトビールのウェブサイトなど見ると、相性の良いお料理が紹介されていたりしますので、参考に。
お気に入りのビアバーで楽しむ
ビアバーでビールを楽しむ醍醐味は、飲み比べができること。
タップの数だけビールの種類が置いてあります。

そしてビール注ぎ名人がいるビアホールもオススメ。
同じサーバーから注いだビールなのに、名人の注ぎ方一つで、同じピルスナー?と思うくらい変わるんです。
のど越しも風味も違うビールに出会えます。
グロウラーショップでアウトドアに
自分専用のビールグラウラーを準備して、「グラウラーショップ」へ。
計り売りしてもらったお気に入りのビールを持って、キャンプやBBQに行けば、より楽しい時間が過ごせます。
家飲みでクラフトビールを楽しむ
家飲みって、実はすごく贅沢なコト。
リラックスしたルームウエアで、飲んだ後の移動しなくてもよいのだから。
缶や瓶のクラフトビールを飲むのもいいけれど、もっと楽しい体験ができるのは家庭用のクラフトビールサーバー。

まるでビアパブのように飲み比べができる、ダブルタップ式の家庭用ビールサーバーもあるんです。
クラフトビールのおいしさを知るためのおすすめ7選
クラフトビールは通販サイトやふるさと納税サイトで探すと、全国のビールが手に入ります。
・・・が、まずは手軽に飲んでみたい方に、ここではスーパーやコンビニでも売っているクラフトビールを中心に紹介します。

ビールの特性を表す3つの指標を、もう一度かんたんに説明しますね。
- IBU
-
国際苦味単位のこと
数字が大きいほど苦味も強く、日本の市販ビールはIBU15〜30 - SRM
-
ビールの色の濃さを示す数字
数字が小さいほど薄くのど越しが爽やかで、大きいほど濃くなりボディが重い - ABV
-
アルコールの度数
*これから紹介するビールの3つの指標は、公式サイトやパッケージに記載のある正式な数値だけ書いてます。
ヴァイツェン/エチゴビール

ビアスタイル:ヴァイツェン
日本初の国内製造クラフトビールとなったのがエチゴビール。
ヴァイツェンがとってもおいしいんです!
小麦のビール特有の柔らかい口当たり、酵母由来のフルーティな香り。
IBU も16と低いので、苦いビールが苦手という方にぜひ一度試して欲しい・・・そんなビールです。
- ABV:5.0%
- IBU:16
- 飲み頃温度:8〜12℃
よなよなエール/ヤッホーブルーイング

ビアスタイル:アメリカン・ペールエール
ヤッホーブルーイングは、1996年に軽井沢で生まれた、エールビール専門の醸造所。
アメリカのカスケードという種のホップを使っているので、柑橘類を思わせるフレッシュなアロマが特徴的。
ペールエールだけあり、モルトの甘みも優しくて、クラフトビール初心者さんにおすすめです。
- ABV:5.5%
- IBU:41
- 飲み頃温度:10〜12℃
ギネスオリジナルエクストラスタウト/GUINNESS

ビアスタイル:スタウト
スタウトといえば、やはりアイルランドのギネス。
まずは王道の黒ビールをどうぞ^^。
ドラフトギネスとエクストラスタウトがありますがおすすめは、エクストラスタウト。
フルーツ香や苦味と甘味のバランスが見事に調和しているので、黒ビールを飲み慣れていない方でもおいしく飲めます。
- ABV:5%
- 飲み頃温度:8℃
毬花 -Marihana-/COEDO BREWERY

ビアスタイル:セッションIPA
1996年に川越市で生まれた醸造所。
今回紹介するのは、鞠花。
ビアスタイルはセッションIPA。
シトラスを想わせるアロマホップが華やかで、のど越しも滑らか。
IPAよりも、アルコール度数を低く、苦味も抑えられているため、IPAが苦手な方におすすめです。
- ABV:4.5%
- IBU:48.3
- 飲み頃温度:6〜8℃
ブルックリンラガー/ブルックリン・ブルワリー(キリン)

ビアスタイル:アメリカン・アンバーラガー
アメリカ屈指の人気ブルワリーのラガービール。
何と言っても、麦芽の濃い味わいが印象的。
滑らかなのど越し、ホップの香りも爽やかです。
缶や瓶でも販売されていますが、キリン ホームタップでも期間限定ビールとして飲むことができます。
- ABV:5%
- 飲み頃温度:6〜8℃
*キリンと資本提携されているため、国内生産されています。
ヒューガールデンホワイト

ビアスタイル:ベルジャンホワイト
世界的に人気のベルギーのクラフトビール。
小麦由来のフルーティな甘味と、オレンジピールとコリアンダーシードから生まれる独特で優しい味わい。
苦味が少ない、ビールらしくないビール。
でも…飲む人を虜にしてしまう何かがある。
ビール嫌いの方、飲んでみて!
- ABV:4.9%
- 飲み頃温度:6~10℃
低い温度だとさっぱり、少し高めだとまろやかになる。
雷電カンヌキIPA/オラホビール

ビアスタイル:アメリカンスタイルIPA
1996年長野県東御市で生まれた醸造所。
トロピカルなアロマがとっても華やかな印象。
IPAだから苦味もガツンとあるけれど、口に含んだ時に広がる味わいが絶妙で稲妻に撃たれたよう・・・
どこかで見つけたら、ぜひ飲んで!
オラホビールはドリームビアでも楽しめます。
- ABV:6%
- IBU:63
- 飲み頃温度:10~12℃
まとめ
世界を見渡せば150種以上もあるビアスタイル。
そのバラエティ豊かなビールを、伝統的な製法で、こだわりの材料を使い、ブルワーが愚直なまでに精魂込めて作り上げたのがクラフトビールです。
コンビニやスーパーで見かけたものを飲んでみるもよし、思い切ってビアパブに出かけ、オススメのクラフトビールを飲んでみるもよし・・・
ビールを知ることで、雑学も自然と学べてしまう。
知れば知るほど奥が深くて、いろんなビアスタイルを飲むのは想像以上に楽しい体験です。